2019 年 75 巻 5 号 p. I_1113-I_1119
歩行者の交通安全の更なる確保に向けては,歩行者と車両を空間的に分離する方法に限らず,歩行者への配慮が自然となされる歩車共存道路の活用も望まれる.本研究では,歩行者が歩きやすく,自動車の走行速度が抑えられる道路の構造を把握するため,VR(バーチャルリアリティ)空間において,路面の色分けや舗装の種類,外側線の有無などの路面構造の異なる道路を作成し,歩行者及びドライバーとしての通行調査を行い,路面構造と交通挙動の関係を分析しその傾向を把握した.その結果,道路構造の工夫で,歩車共存道路の安全性を向上させることができる可能性があると考えられた.