抄録
近年,国民の健康増進のため,よい生活習慣を継続しやすい健康まちづくり政策の策定が求められている.そこで,個人の認識から生活環境に及ぶ複数の階層を包括した上で,逆戻りの現象を含めた生活習慣の行動変容ステージに関連する阻害要因を明らかにすることを本研究の目的とする.本研究では,主観的健康状態を個人の健康状態の代理指標として,阻害要因の構成に関する仮説を提案したのち,大規模なwebアンケート(n=20,000s)を実施した.その結果,1)逆戻り現象は多く存在し,また「中断」ステージに属する者は主観的健康状態が「良くない」と認識する傾向にあることが明らかとなった.また,2)身体活動の「中断」ステージに属する者は生活環境からの阻害を感じやすいことが明らかとなった.