抄録
自転車走行時に路面凸凹による振動は,不快感の発生に大きく影響することが指摘されているが,これを定量的に評価する手法は確立されていない.本研究では,市販のアクションカメラで撮影した走行中の動画から,運転者が振動によって感じる不快の度合い(振動不快度)を定量的に評価する手法を開発した.
走行実験では,15m間隔での振動不快度の主観評価およびオプティカルフローと周波数解析を用いた動画解析による振動量計測を行った.次に,振動量から振動不快度を推定するサポートベクター回帰モデルを構築し,テスト走行からその汎化性能を検証した.本手法では,低コストかつ簡易な面から,高頻度な計測が可能となり,また,動画の活用によって評価結果の信頼性と透明性を確保できる.