2019 年 75 巻 5 号 p. I_911-I_922
人々にとって身近な移動手段である路線バスは誰にでも使いやすいものであることが望まれる.しかし多くの場合,基本的な情報が利用者にわかりやすい形で提供されておらず,そのため乗る際の心理的抵抗が大きいと指摘されるような状況にある.そこで本研究では,バス利用に関わる案内の中でも路線図に着目し,デザインの観点からその実態を把握し,路線図のデザインと人々の「わかりやすさ」との関係を明らかにすることを目的とし評価実験を行った.そのためにまず全国に存在する241件の路線図に対してクラスター分析による類型化を行い6パターンに分類した.そして各パターンの路線図に対して経路探索による評価実験を行い,路線図を見る際の人の挙動と意識の面からわかりやすさに関する要因について明らかにした.