2021 年 76 巻 5 号 p. I_1441-I_1452
近年,全国各地で「地方創生」が叫ばれており東京圏への人口流入の是正を目指し,様々な政策が打ち出されているが,人口流入は是正に至っていない.より抜本的な政策を実施していくには,国民の理解が不可欠であり,本研究では,国民の東京一極集中に対する政策支持意識を理解するために,東京一極集中に対する人々の賛否意識に影響する心理要因を明らかにすることを目的とする.この目的の下,既往研究を踏まえて,全国国民を対象としてwebアンケート調査データ(N = 939)を用いて,人々の賛否意識とその規定因との因果関係を統計的に検証した.その結果,東京一極集中に対する賛否意識を規定する重要な影響要因として,「認知世論」「東京一極集中のメリット/デメリットの認知」「自由競争意識」「居住地」「学歴」が存在することが確認された.