2021 年 76 巻 5 号 p. I_249-I_258
車依存都市におけるWalkable Cityの実現には,道路空間整備のあり方を大きく転換する必要があり,この議論を行うためにはその将来ビジョンの可視化が必要となる.主な可視化技術であるCGでは,コンピューターやソフトウェアの性能向上,デザイン要素のクラウド化から,低コストで高質な3D空間の作成が可能となっている.また,空間を疑似体験するVR技術も発展し,空間の没入感を高めるツールが一般的に利用可能になっている.しかし,CGやVRツールの特徴が歩行空間評価にどのように影響するかは明らかでない.そこで本研究では, VRの視点自由度を考慮して,街路空間CGのデザイン要素が空間評価へ与える影響を分析した.この結果,静的デザイン要素は滞留空間の評価への影響が大きく,VRは安全性や楽しさの評価の感度を高めることが示された.