2022 年 77 巻 5 号 p. I_857-I_870
我が国の混雑空港の滑走路容量(空港の発着枠数)の決定には,継続的需要を仮定する「極限容量」の考え方で算定した容量を使用しているが,通常は時間的な需要変動を考慮しつつ許容遅延時間の観点から決定される「実用容量」から容量を決定する方が望ましい.そこで本研究では,羽田空港を対象に最新の航空機軌跡データを活用して実績の滑走路処理間隔を詳細に分析し,滑走路占有時間などの重要なパラメータについて再検証を行った.新たに設定したパラメータを使用して,極限容量および実用容量がどの程度変化するか分析を行うとともに,バードストライクといった突発インシデントの影響も加味した容量評価手法の提案と試算を行った.