2022 年 78 巻 2 号 p. 58-77
厳しい財政環境の中,橋梁の維持管理手法として,ブリッジマネジメントに注目が集まっているが,物理モデルを用いた劣化予測は実橋と乖離がある.その一因は,実橋の材料や環境条件が経年とともに変化し,同一構造物でも部材や場所によって劣化状態がばらつくことが考えられる.本研究は劣化予測にばらつきを持たせ,ばらつきの分布を実橋に合わせることで,劣化予測の精度が向上することに着目した.劣化分布を合わせる方法として,ばらつかせた劣化予測の分布を点検結果の分布に補正することとした.しかし,点検結果は測定誤差や,時間的な誤差が含まれる.本研究はばらつかせた劣化予測に対し,測定誤差と時間誤差を考慮した点検結果を用いて補正する.なお点検結果は複数回あるため,点検回数による補正が劣化予測に与える影響を検証する.