土木学会論文集D3(土木計画学)
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和文論文
地下鉄における騒音測定を踏まえた騒音実態の把握とそのデータ活用
久保田 聡一日比野 直彦
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2022 年 78 巻 6 号 p. II_229-II_240

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抄録

 地下鉄は急曲線が多く,列車通過時に車輪とレールが接触することにより騒音が発生しやすいものの,利用者からの苦情に対する対症療法的な対策に留まり,積極的な対策がなされていない.また,地下鉄の騒音は,地上を走行する鉄道と比べて研究が少なく未解明な部分も多い.実務的には,列車走行の安全確保に向けた様々な定期検査を実施しているが,その中に騒音測定は含まれておらず,音データの蓄積がないことにより実態把握がなされていない.本研究では,地下鉄における騒音を測定し,「きしり音」や「波状摩耗に伴う音」が,曲線半径,列車速度といった複数の要因により発生していることを明らかにした.また,運転士への騒音に関する調査を実施し,運転士の感覚と音データとの関係を整理した.音データの有用性を示すことにより,蓄積とその活用の重要性を示唆した.

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© 2022 公益社団法人 土木学会
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