2023 年 79 巻 13 号 論文ID: 22-13023
地震波形の類似度評価は地震工学および地震学における重要な要素の一つである.近年,地震波形の類似度評価の新たな指標としてワッサースタイン計量を用いることが提案されている.ある問題においてワッサースタイン計量が有効であることは示されているが,地震工学の分野において波形の類似度評価の指標としてワッサースタイン計量を適用した研究はなされていない.本研究では,センブランス解析に対してワッサースタイン計量を適用し,平均二乗誤差を用いる旧来の手法との比較を行った.旧来の手法では,多峰性の問題からグリッドサーチなどの計算コストの大きい大域的探索が必要であったが,ワッサースタイン計量を評価関数として用いた場合では,計算コストの小さい局所探索のみでも大域的最適解への収束性が一定程度あることが示された.