2023 年 79 巻 15 号 論文ID: 22-15031
ステンレス製パネルタンクは,地震動による様々な種類の被害が報告されている.これらの原因の一つとして,タンク構造体の振動が主体となるバルジング振動に起因する被害が挙げられる.バルジング振動は,短周期の地震動によって構造と流体が相互作用する連成振動である.しかし,バルジング振動に関する設計基準は無く,これらの基準を確立する必要がある.本論文では,基準作りの基礎となる加振方向角を変化させながら流体と構造とを連成させた時刻歴応答解析を実施する.この結果,バルジング振動が発生した場合のステンレス製パネルタンクの弱点を明らかにする.具体的には,変位に関しては加振方向角 0°で最大であること,さらに von Mises応力に関しては加振方向角に関係なく隅角部が弱点となることを明らかにする.