2023 年 79 巻 15 号 論文ID: 22-15050
橋りょうのたわみや衝撃係数の推定精度を向上するためには,曲げ剛性の精緻な評価が必要となる.本研究では,一般的な鉄道鋼橋および合成橋を対象として,3次元有限要素解析に基づき,軌道部材等の非構造部材が主構造の曲げ剛性に及ぼす影響について検討した.開床式鋼桁の主構造剛性に,横構,対傾構が与える影響は僅かである一方,レールが及ぼす影響は相対的に大きく,その剛性増加率はレール締結装置の拘束条件に依存して大きく変化することを明らかにした.さらに,単純合成桁の主構造剛性に与える影響は,非構造部材の中で制振コンクリート,路盤コンクリートが相対的に大きいこと,連続合成桁のレールの影響は,橋長が長く橋りょう境界の回転拘束の影響が小さくなることから,単純合成桁の20%となることなどを示した.