2023 年 79 巻 17 号 論文ID: 23-17125
人工リーフは通常,捨石マウンドの上に被覆ブロックが設置されるが,台風通過時のような高波浪作用下においてはブロックが飛散して崩壊に至る.ブロックの飛散の発生の有無を予測するにはブロック周囲の流速や圧力等を調査して流体力を推定すればよいが,人工リーフ上では砕波が頻発するので実験による計測が難しい.そこで本研究では,ブロックの移動を考慮した数値モデルを構築し,それを用いて不規則波による天端上被覆ブロックの飛散過程の再現計算を行った.既往の水理実験でブロックの飛散が発生した波浪条件と同様の条件で計算を実施したところ,ブロックがマウンド上を回転離脱し,岸側のブロックに乗り上げる過程が再現された.また,ブロックの挙動・ブロックに作用する流体力・砕波の発生位置の関係が計算結果より示された.