2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18026
千葉県富津市を流れて浦賀水道へ注ぐ湊川の河口を実例として,中導流堤の機能について現地データを基に考察した.湊川はその規模が大きくないため,河口では波による河口砂州の形成と洪水による砂州のフラッシュが繰り返され,河口地形は動的平衡状態を保っている.まず,衛星画像により河口砂州の変動状況を調べるとともに,2022年6月22日には河口部の現地調査を行い,河口砂州を横断する3測線に沿ってGPS-RTKを用いて砂州形状を測量した.これらを基に動的平衡状態にある河口砂州の変動特性について考察し,河口砂州が中導流堤まで伸び,その汀線が波の入射方向と直角となった場合,波による地形変化が停止し,砂州が安定することを明らかにした.