2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18085
近年,アジア各国の経済成長,世界的な船舶大型化,船社間の連携等により,コンテナ基幹航路の寄港地絞込みが進み,日本に寄港する航路数が減少する等の課題が生じている.本稿は,日本の港湾政策の企画・立案や国内立地産業のロジスティクスにおける対応の検討等に資する定量的なデータをとりまとめるため,PIERSデータ等を用いて北米航路のコンテナ貨物量,直航率,トランシップ経路に関する詳細な分析を行った.
その結果,日本の直航率低下は北米東岸航路の減少による影響が大きいこと,他国でトランシップされる日本発着貨物の多くは国内主要港-釜山港-北米の経路であること,日本の基幹航路貨物を増やす上で東南アジアにトランシップ集貨先としての潜在性があることを示した.