2023 年 79 巻 18 号 論文ID: 23-18176
2050年までのカーボンニュートラル達成の政府施策の1つとして,植物などが海中に取り込むブルーカーボンの増加も有効な手段となる.海洋のコンクリートブロック表面にはその環境に応じ岩礁性藻場が形成される.平型のブロックAと立体型のブロックBの設置状態と海藻着生状況から,ブロック個体や構造物全体などのCO2吸収量の算定を目的にブロック形状や設置方法に応じたCO2吸収量の算定方法を検討した.ブロックAは上向き面のみ使用する算定方法,ブロックBは乱積み設置により所定表面積より海藻類が着生した面積は大きく「乱積み比」として2.0~2.5程度を乗じる算定方法が適当と提案した.既往研究に倣い算定したCO2吸収量は,既往研究と比較してブロックAが同程度,ブロックBは下回り,防波堤全体で下回ったが,乱積み比の適用で同程度やそれ以上となった.