2023 年 79 巻 20 号 論文ID: 23-20005
バス事業と他産業の就業環境の実態を比較した結果,バス事業従事者は他産業従事者より,拘束時間が長いが,年間有給休暇日数が多く,「給与」,次に「充実した勤務時間・休日確保」に不満が多いことが分かった.大型二種免許及び大型免許保有者の就業意向をアンケート調査し,コンジョイント分析を適用し,担い手の確保が期待できる雇用条件を明らかにした.現在の一般的な雇用条件とした際,平均的な回答者はバス事業の雇用条件を魅力的と回答しないことが分かった.さらに,介護・保育サービスを提供することだけでは,雇用の拡大や離職の防止を図ることは難しいが,就業意向を変化させる有意な因子とな っており,他の条件の向上と組み合わせることにより,就業条件の魅力化が達成でき,介護・保育サービスは補助的な役割を担えることを示した.