2023 年 79 巻 20 号 論文ID: 23-20034
将来歩車が混在するShared Spaceには歩車混合交通流シミュレーション環境が必要であるが,道の駅などの限定環境ではその入力値を観測することが困難である.そこで国土交通省が推進しているCCTV画像を活用した交通観測データを用いるが,歩行者,自転車の検出精度が低く常時観測を行うためには課題がある.本研究では名古屋大学内10地点に市販監視カメラを設置し,1か月間に渡り歩行者と自転車の観測を行い,観測画像からリアルタイムで検出するYOLOとStrong Sortを用いた人流計測システムを構築した.また,その計測結果の精度を向上させるため,計測地点毎の対策ではなく全体に適用可能なアルゴリズムを構築し,歩行者の計測精度を大きく向上させることができた.この分析と結果を踏まえ,街中への常時観測への適用時の可能性について考察する.