2023 年 79 巻 20 号 論文ID: 23-20045
道路網の接続構造に関するNetwork Science手法に基づく研究の多くは,格子状や放射状などの規則性や次数分布・次数相関などが既知であることを仮定する場合が多く,実際の都市道路網を適切に表現できているとはいえない.そのため本研究では,実都市道路網の特徴を考慮した一般的道路網生成モデルを構築する.国内141都市の道路網データを用いて接続構造指標によるクラスタリングを行い,各クラスターに最適なノード数とリンク数を入力パラメータとする道路網生成モデルを構築した.さらに,生成された道路網を階層化する手法を提案し,拠点間の移動時間分布に基づいて道路網の性質を検証することで,上位ランク道路を環状とすることや,最下位ランク道路の道路延長割合を小さくすることが道路網の輸送機能向上につながることが確認できた.