2023 年 79 巻 20 号 論文ID: 23-20067
本研究は,都市交通インフラの効率的な利用を実現するにあたって,1) 支払い不要による機会の公平性,2) 利用者自身に利用タイミングを検討させることを通した簡便な選好表明,3) インフラ容量の効率的な利用の 3 点を実現するための新しい割当メカニズムとして,協調促進トークンメカニズムを提案する.具体的には,本メカニズムの理論解析と性能評価のために,本メカニズム下における均衡状態の定式化と変分不等式問題としての表現,解法アルゴリズムを構築した.そして,数値実験を用いて,本メカニズムが社会的最適状態を近似するとともに,想定した条件下で早い者勝ちなどの単純な仕組みと比べて優位性があることを示した.