2023 年 79 巻 21 号 論文ID: 23-21015
積雪寒冷地では,融雪期にポットホールが頻発するため,定期的な道路巡視や網羅的な路面状態把握に基づく計画的な補修が求められている.昨今,AI等の導入による道路巡視の効率化が注目されているが,融雪期の道路を考慮した手法は確立されていない.本研究では,画像認識AIと顕著性マップを用いて,ポットホール発生路面の損傷度を評価する手法を構築した.まず,冬期の路面画像を用いてAIの学習を行ったところ,ポットホールの検出率は85%以上となった.次に,顕著性マップとテクスチャ解析によって,ポットホール部の広がりや深さを考慮した路面損傷評価が可能になることを示した.最後に,定期的な道路巡視やネットワークレベル補修計画を試み,本手法を用いることで,冬期舗装維持管理の効率化および高度化に寄与できることを示した.