2023 年 79 巻 21 号 論文ID: 23-21016
本研究では,舗装の予防保全的な維持管理の実現を目指し,車両搭載型測量システム(MMS)で計測された点群データ(路面標高値)からポットホール(PH)の主な原因である路面のひび割れの進行度を推定する方法を考案した.路面標高値の歪度を基に抽出した局所的な凹型変状とひび割れの長さの関係を求めたところ,両者には強い相関が見られた.冬期前後のPHの面積変化(PH進行度)とPH発生箇所における路面水の累積流量との関係を明らかにし,これを冬期前の局所的凹型変状に適用することでひび割れの進行度を推定した.さらに,推定したひび割れ進行度と実測されたひび割れの進行度(冬期前と冬期後のひび割れ長さの差分)に相関があることを明らかにした.