2023 年 79 巻 21 号 論文ID: 23-21019
我が国の高速道路において,現行の管理基準以下で発生する局部的な路面変状が,車両乗員の快適性の低下につながるストレス要因となる一方で,その原因となる路面波長が既存の路面指標では過小評価されることが示唆されている.本研究は,ストレスに関連する路面波長の卓越度および変動特性を考慮し,ドライビングシミュレータによる走行試験を実施することで,車両乗員の生理反応である心拍変動および皮膚電気活動に基づく人間中心の路面変状評価について検討を行った.本研究成果として,局部変状に対応する一過性のストレスと関連した路面波長卓越度の範囲を明らかにし,新たに評価区間全体でのストレスと整合する累積値および一過性のストレスと整合する分散値を定義することで,生理反応に基づく合理的な人間中心の路面評価につながることを示した.