2023 年 79 巻 21 号 論文ID: 23-21032
阪神高速道路は路線全体の8割が高架橋であり,特に湾岸線では鋼床版が多く採用されている.鋼床版上舗装の基層には,たわみ追従性が高く,かつ流し込み施工が可能で,床版上の凹凸部へ容易に充填できるグースアスファルト混合物を従来から使用している.近年,道路舗装各社において,従来のグースアスファルト混合物と比較して高耐久で低臭気なグースアスファルト混合物が開発され,実用化に向けた取り組みがなされている.そこで,阪神高速道路における鋼床版上舗装の長寿命化を目指し,高耐久グースアスファルト混合物の適用を目的として,要求性能および性能照査試験結果により検討した品質規格値に基づき,製造から施工に関する規定の整理や試験施工の実施,ライフサイクルコストの整理を行った.本稿では一連の検討により得られた知見を報告する.