2023 年 79 巻 22 号 論文ID: 22-22052
航空レーザ(LP)測量データより作成した微地形表現図や地形量図を用いて,業務に利用する事例が増加している.ここでウェーブレット解析図は傾斜量図と異なり,斜面傾斜に影響されず段差地形を抽出することができる.はじめに斜面傾斜と段差の大きさを変更した模擬地形を作成し,ウェーブレット解析図と傾斜量図が表現可能な段差の大きさについて検討した.つぎに,落石発生源を含む平均斜度40°程度の斜面を対象に,ウェーブレット解析図と傾斜量図が抽出できる段差の大きさについて,踏査結果も用いて検討を行なった.これより抽出できる段差の大きさは,ウェーブット解析図は約2m,傾斜量図は4m以上であることがわかった.したがってウェーブレット解析図は,傾斜量図よりも小さい段差地形を抽出可能である.