土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(地球環境)論文
ホタテ貝殻の地盤工学的活用による環境保全と超浅層地盤内へのCO2固定化
小林 薫原 龍正松元 和伸安原 一哉
著者情報
ジャーナル 認証あり

2023 年 79 巻 27 号 論文ID: 23-27008

詳細
抄録

 循環型社会の構築に向けて水産系副産物であるホタテ貝殻の建設工事への活用が試みられているが,環境保全など十分な改善効果が得られているとは言い難い.本研究は,土構造物へのホタテ貝殻の活用による野積みホタテ貝殻量の削減と共に,扁平なホタテ貝殻が有する地盤工学的に特異な特性を活かした河川堤防裏法面補強への適用による二酸化炭素(CO2)削減可能量等を明らかにする.まず,野積み貝殻の酸性雨による貝殻の質量減少に伴うCO2放出量を室内実験により把握した.その上で,河川堤防裏法面補強への適用による超浅層地盤内へのホタテ貝殻敷設による潜在的なCO2削減量を試算・評価した.その結果,酸性溶液による貝殻の質量減少に伴うCO2放出量は,酸性溶液のpH,貝殻の粒径,暴露時間により異なること,また,河川堤防裏法面補強へ適用した場合のCO2削減量の潜在的ポテンシャルを明らかにした.

著者関連情報
© 2023 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top