土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
論文
材料や暴露環境が塩化物イオン拡散モデルの予測結果に与える影響要因分析
岡崎 慎一郎岡崎 百合子山路 徹与那嶺 一秀
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2024 年 80 巻 10 号 論文ID: 23-00209

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抄録

 コンクリート構造物の塩化物イオンの浸透挙動は,コンクリート表面の塩化物イオン濃度C0と見かけの拡散係数Dapを用いた拡散方程式で予測される.本研究は,実際の海洋暴露環境におけるC0およびDapの時系列データを用いて,材料や環境条件による違いが本式の予測精度に与える影響について調査し,数値シミュレーションを援用して要因を分析した.その結果,C0の初期の時系列挙動が式の予測精度に影響する機構が明らかとなり,特に,C0が緩やかに増加するケースにおいては,本式による予測が過小評価,すなわち危険側となる可能性があることが判明した.本式による過小評価は,C0の時系列変動影響を考慮した拡散係数を用いた予測により改善することを示し,より適切な設計や維持管理に資すると考えられる.

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