2024 年 80 巻 10 号 論文ID: 24-00061
本研究では,一般環境下にある背面から水が供給される既設RC構造物への表面処理工法の適用が鉄筋腐食環境に及ぼす影響を把握することを目的とし,各種条件を想定したモルタル試験体を用いて電気化学モニタリングおよびモルタル中の水分,塩化物イオン量を測定し,鉄筋の腐食の可能性を評価した.その結果,中性化なしのケースでは,環境条件および表面被覆工の有無に関わらず腐食の可能性が低いことが確認できた.一方,中性化ありのケースでは,表面処理工の種類の違いにより腐食抑制効果が異なり,環境条件に依らず表面被覆工のケースでは腐食抑制効果が確認できなかった.