2024 年 80 巻 12 号 論文ID: 24-00109
本研究では,ETC2.0プローブデータのみを用いて交差点付近における車両の滞留範囲をデータドリブンに特定する手法を開発する.具体的には,交差点付近で一定期間(例えば1か月)蓄積した車両軌跡データを20mに分割した道路リンクにマップマッチングし,分割リンクごと・時間帯(例えば20分間隔)ごとの時間平均速度の中央値を隣接リンクにおけるデータ間の相関を考慮しながら時空間カルマンフィルタによって安定化するとともに,滞留有無の判定に求められる閾値を慣習的な20km/hではなく,時間平均速度の中央値の1日の中での分散の交差点からの距離に対する変化点を用いて設定する方法を考案し,神戸市の渋滞交差点における信号現示変更の影響のモニタリングを例にその適用性を示す.