2024 年 80 巻 13 号 論文ID: 23-13148
橋りょう・高架橋の上部工重量は,橋りょう・高架橋の地震時挙動に影響するが,上部工重量を把握するためには詳細な荷重計算が必要となる.本稿では,既往の文献から桁種別に応じた単位長さあたりの桁重量,軌道形式に応じた軌道重量等を整理し,鉄道橋りょう・高架橋の上部工重量の推定式を作成した.上部工重量が詳細に計算されている桁に関して,推定式と詳細計算の結果を比較したところ,最大でも10%程度の相対誤差で上部工重量を推定可能であることを確認した.また,この誤差が構造物の地震応答に与える影響を分析し,振動特性や地震動の組合せによって影響程度が異なることを示した.本成果は,膨大な鉄道橋りょう・高架橋群の地震応答解析モデルの効率的な構築や,それを用いた路線全体の地震時挙動評価等への活用が期待できる.