2024 年 80 巻 13 号 論文ID: 23-13157
本稿ではこれまでに事例のない規模の4主塔連続斜張橋に対して危機耐性を考慮した構造計画段階における耐震構造計画フローを提案し,それに基づいた検討内容を報告する.本橋の基本構造における最適な支持条件を検討し,それを踏まえた構造特性を明らかにするとともに,座屈固有値解析による破壊プロセスの評価から耐震戦略を設定し,それに基づく基本構造の見直しを行う.次に,見直した基本構造に対して,架橋条件を踏まえたシナリオ地震動を設定するとともに要求性能を提案し,それに基づく照査結果を示す.最後に,プッシュオーバー解析および漸増動的解析により損傷順序を確認し,望ましい破壊プロセスとなることを検証する.一連の検討結果から提案した耐震構造計画フローの有効性を示す.