2024 年 80 巻 14 号 論文ID: 23-14004
著者らは,従来のRC構造に代わるものとして,ウェブにスタッドを配置したI形鋼を主鋼材としたコンクリート複合構造を提案している.本研究では,まず提案構造とコンクリートとの付着性能やポアソン効果による影響を明らかにするために引抜き実験を実施し,ウェブにスタッドを配置することによるずれ止め効果に加え,ポアソン効果によりフランジ内面とコンクリートに作用する摩擦力が大きくなることで,提案構造とコンクリートとの一体性が増すことを確認した.さらに,提案構造を主鋼材として用いる場合の定着長について把握するための実験を実施し,定着長がI形鋼のウェブ高さの6倍以上の長さであれば,鋼材が降伏に至るまでI形鋼が引き抜けることなく,定着が確保されていることを確認した.