2024 年 80 巻 14 号 論文ID: 23-14005
長期供用に伴う壁高欄等の橋梁付属物の劣化が問題視されている中,維持管理性や施工性の観点から,軽量かつ高耐食性を有するGFRPを用いた壁高欄が注目されている.GFRP壁高欄基部の構造は,溶融亜鉛めっき処理された鋼板を連結板として,高力ボルト摩擦接合と引張接合で構成されている.本研究では,高力ボルト摩擦接合部を対象に,作用面圧や表面処理の違いがGFRP壁高欄基部の摩擦挙動に及ぼす影響を明らかにすることを目的として,実物大GFRP壁高欄を用いた曲げ載荷実験を行った.その結果,摩擦接合面のりん酸塩処理の有無,作用面圧によって,摩擦挙動は変わるものの,GFRP材料の強度によって終局耐力が決定するため,設定した継手パラメータが曲げ耐力に及ぼす影響は小さいことがわかった.