2024 年 80 巻 15 号 論文ID: 23-15013
落石対策構造物を構成するエネルギー吸収部材であるひし形金網は,製造時に塑性加工されるため部分的なひずみ硬化が生じるとともに,変形特性に関して異方性を示すことが知られている.将来,落石対策構造物の縮小模型実験を行うためには,このような特徴を有するひし形金網の力学的相似性を確認する必要がある.本研究は,基礎的な段階として,ひし形金網の基準寸法(実規模)および縮小模型試験体を作製して,ひし形金網の面内および面外方向に対する静的実験を行ったものである.また,実験結果に対する数値解析も行った.実験と解析の結果,各実験の荷重-変位関係および金網拘束部における荷重-張力関係などからひし形金網にはレプリカ則による力学的相似性が成立することを確認した.