2024 年 80 巻 15 号 論文ID: 23-15048
列車通過時の桁たわみ振動により鉄道橋桁端付近に建設された電柱が大きく振動し,電線などの線条類の破断に至る場合がある.電柱天端変位に関する目安値(両振幅 80mm)など基準類の整備が進めらているが,線条類の拘束による電柱の固有振動の変動など,電柱天端変位に依存した電柱振動の非線形性に関する分析事例はほとんどない.本研究では,桁変形が電柱への加振力となるよう再定式化した橋りょう上電柱振動用 Time-Varying Auto Regressive with eXogenous(TV-ARX)モデルを構築した.数値解析により検証したうえで,列車通過時における橋りょう上電柱の実測波形を分析した結果,目安値と同レベルの振動が生じた場合でも線条類の拘束が電柱振動の非線形挙動に及ぼす影響は小さいことを実証的に示した.