2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16014
近年,台風や前線による大規模豪雨が頻発し,さらに局地的集中豪雨と呼ばれる豪雨によって,警報が発令する前に被害が発生する可能性がある.2020年8月には埼玉県川口市で,アンダーパスにおいて冠水が発生し,数台の車両が水没した.本研究では,東京都23区にある芝浦処理区を対象として,精緻な浸水予測手法であるS-uiPSに断面交通量から算出した車両台数を組み込み,交通渋滞を反映した想定最大規模降雨時の浸水予測計算を行った.その結果,幹線道路とその周辺の道路で浸水深が上昇することが判明した.また,同エリアにおいて,人口集中地域から病院まで浸水を回避できる経路検索システムの検討を行った.浸水解析と連動させることで豪雨時でも通行可能な経路が得られ,時間刻みを小さくするとより経路長が短い経路を得た.