土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(水工学)論文
改良型FCを用いた超音波減衰スペクトル計による融雪出水期の土砂輸送量の測定
古川 仁志桒原 昭夫安藤 悠朝岡 良浩
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2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16022

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抄録

 河道内を流下する流砂量を計測し土砂の移動特性を把握することは特に堆砂量の多い経年ダムの土砂管理において重要である.FC(Flow cell)型超音波減衰スペクトル計は2017年に初めて実河川に設置された浮遊砂観測装置である.これまでの観測ではwash loadは測定できるが,細砂・中砂以上の粒径の粒子を含む土砂の測定にはサンプリング方法やFCの構造などに課題があった.本研究ではサンプルの増量と粒度試験方法の改善を行うとともに,FCを改良した超音波減衰スペクトル計を用いて融雪出水期の浮遊砂観測を行った.その結果,FC型超音波減衰スぺクトル計が粒径2mm以下の浮遊砂とwash loadの濃度と粒度分布を測定できることを確認した.また,これらの測定データを用いて粒径階級別に土砂輸送量を算定することが可能となった.

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