2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16069
本研究では,人吉市街地の堤内地に貯留・浸透及び氾濫流制御対策を講じた場合の支川のピーク流量及び浸水域の低減効果をシミュレーションにより評価した.田んぼダム(対象流域面積の1.4%),学校グラウンドと公園(対象流域面積の0.04%)を活用し雨水貯留を導入した場合,50年確率までの降雨に対して,山田川,西川内川,御溝川のピーク流量は現況より約1~8%低減し,福川ではさらに道路嵩上げ(総延長1.3km)を導入することで約51%低減した.氾濫域は,田んぼダム導入により30年確率までの降雨に対して低減し,さらにグラウンドや公園における雨水貯留及び道路嵩上げを局所的に導入することによって,50 年確率までの降雨に対して低減することができると推定された.