2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16075
流域治水の実践や安全かつレジリエントで持続可能な社会環境の創出への長期的対策を講じるため,若齢就学者の実情把握と防災課題抽出を目的としたアンケートによる調査,分析に取り組んだ.研究対象地として,令和元年東日本台風から3年を経過した夏井川流域を設定した.アンケートの単純集計からの実態を把握した.また,ディシジョンツリーによる実態に基づく課題の系統化による分析を進めた.主な結果として,甚大な被害の差の認められた上流側―下流側と,中学生―小学生に防災意識に差のある実態が明らかにされた.また,ディシジョンツリーの結果として,校内で行える防災教育の他に共通認識のための協議を進めることが水害リスク認知に効果的になりえる結果を得た.