2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16096
全球水資源モデルを高解像度化し,1分空間解像度で領域へ適用する研究が発表されている.しかし,先行研究においては,低解像度の全球水資源モデルの取水の仮定に従いグリッド毎に表流水を取水する方法で水需給評価が行われている.本研究では,全球水資源モデルH08を高解像度化したモデルを構築し,東京都の配水系統を明示的に考慮した水供給システムと従来型の配水の概念を持たずグリッド毎に河川から取水する水供給システムによって水需給の評価を行った.その結果,従来モデルでは実際とは異なる取水源から水が供給され,都市部の水需給を適切に評価できないことを示した.本研究成果により,従来モデルの水供給システムの課題が示され,高解像度モデルにおいて適切に水供給システムを表現することの重要性が強調された.