2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16097
大気海洋モデルと陸域モデルを結合する際, 陸域モデルは大気格子と同じ格子系を用いるのが一般的だが, この場合陸域の格子系はその地形や植生分布などとは独立に定義されることになる. 一方, 陸域モデルに適した単位集水域格子系等の格子系は形状が複雑なため扱いが難しく, また結合システムの内挿変換における保存性に課題がある. 本研究では, 単位集水域格子系に代表されるラスター格子系を含む, 任意の球面格子系間におけるスカラー量保存内挿変換アルゴリズムを開発する. さらにこれを応用して, 結合システムの陸域モデルに単位集水域格子系を導入し, かつ内挿変換における保存性と単調性を担保する手法を提案する.