2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16099
高精度な気象シミュレーションには,建物屋根面アルベドデータが必要である.本研究ではアルベド測定の不確実性を理解するため,東京都の合計11棟の建物屋上で行った現地測定,リモートセンシング含め,考えられる全てのアルベド測定手法にて実建物の屋根面アルベドを評価した.その結果,手法毎に算出されるアルベド値は異なり,特に現地測定手法の一つであるハイパースペクトルメータの算定値は他の手法との乖離が大きかった.これはアルベド測定における指向性による影響が確認された.衛星・空撮画像によるリモートセンシング手法では,画像解像度の影響により現地観測で対象とする建材以外のアルベド値も含まれてしまうことで,他の手法が測定したアルベド値との差に繋がることが確認された.