2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16122
将来,地球温暖化による気候変動に伴って降水が増加することで,土砂災害のリスクは増大するといわれており,鉄道も影響を受けると考えられる.そこで本研究では,東北・関東地域における主要な線区で土砂崩壊の発生頻度が高い3つの鉄道路線を対象に,気候モデル(NHRCM02)によるRCP8.5シナリオに基づく数値実験の出力データを用いて,土砂崩壊発生数の将来変化の線区による差異を評価した.その結果,21世紀末における土砂崩壊発生数は,現在に対して関東地域の線区で3.4倍,東北地域の線区で平均2.5倍になることがわかった.