2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16134
気泡式循環対策による貯水池における有害藍藻類抑制効果を数値解析モデルを用いて検討した.近年,現地で生じる弱い成層条件における広域水平密度流の流量減少が指摘されている.従前用いられている二重プルームモデルはこの傾向を表現できないことから,これを修正したモデルを用いて複数条件において貯水池二次元モデルによる解析を行った.特に解析結果について二重プルームモデルの修正モデルと従前モデルとの差異を評価した.その結果,従前モデルの修正モデルに対する,1.広域水平密度流(水面収束流およびイントルージョン)の流量の数倍以上の過大評価,2.これに応じた表水層滞留時間の過小評価,3.植物プランクトン抑制の過大評価が認められた.これらに基づき,工学的実務および今後の気泡噴流に関する研究課題の考察を行った.