2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16163
本研究では,滑面開水路乱流における水表面瞬時流速分布特性と内部構造の相互関係を流速計測と流れの可視化法を用いて検討した.その結果,底壁面が滑面の条件においても瞬時流速分布には,並列らせん流が形成されることが明らかとなった.また,瞬時水表面流速と内部流況の同時可視化から,縦渦構造が水表面の遅速分布に直接寄与していることが明らかとなった.さらに,水表面瞬時流速分布から水表面浮子の更正係数を検討した結果,並列らせん流に相当する相対的な高速領域の平均流速と断面平均流速の比は0.77となった.表面浮子の更正係数は現状0.85であり,本研究の値は0.08ほど小さいが,従来の検討成果の傾向に沿っていることが認められた.