2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16182
中部地方のダムを上流ダム放流操作の影響度を元に,上流域の特性が同一視できる 3 パターンに分類した.パターン毎の代表ダムにおいて,流入量予測を目的とした深層学習モデルを構築し,予測精度を評価することで,学習時の入力条件に応じたモデル構築方法の妥当性やダム流入量予測への適用性を評価した.
本論では,面的な雨域の把握が可能なレーダ雨量を深層学習モデルの入力データとし,近年出水を学習対象としているが,学習データが限られる低頻度・未経験洪水に対する予測精度確保が課題となる.そのため,レーダ雨量が存在しない期間の大規模出水を地上雨量データを用いて学習対象に追加することで,これらの洪水に対する予測精度を確保した.また,学習に使用する雨量データの種別混在による予測精度への影響を分析し,上記対応の是非を確認した.