2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17027
本研究では,長崎県西海市沖を対象に洋上ウインドファームの波浪設計条件を求める上で重要な気圧・風速場のモデリングを行った.波浪の極値を推定する上で台風の影響を適切に評価できる気圧・風速場は必要である.ERA5などの再解析データは有用であるものの,台風時の風速のピークを過小評価する傾向にある.そこで,ERA5とパラメトリック台風モデルによる気圧・合成風速場を精度よく表現できる方法を提案し,波浪再解析の入力データとしての有用性を2020年に長崎県西海市沖に顕著な影響を与えた台風MaysakとHaishenの観測データとの比較検証を通して調べた.その結果,本研究で提案する気圧・合成風速場は,ERA5で過小評価となる風速のピークをよく再現でき,その予測精度の高さを実証することができた.