2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17028
沿岸での波浪予測は, 海洋工事等の安全性確保の上で重要である.海洋工事では波高1mを閾値として工事の成否が決するため安全・経済性の点でその精度向上が望まれる.近年では物理モデルと並行して, 機械学習の適用が注目され, 特にXGBoostやTabNetといった特徴量評価を実装した手法の評価が高い.本研究は, 主にXGBoostに基づく1週間先までの波高予測システムの開発を目指し, 風速データの特徴量重要度の違いによる予測精度の評価・検討を行った.学習データは長期間の波浪観測値と広域の気象観測値であり, 特徴量を用いたデータ評価とその空間的分布特性を調べた.その結果, 風速地点の選定に依存した予測精度の向上が確認され, 短期予測での高い精度が確認された.予測結果に対して統計解析における2値分類によって予測精度と期間との関係を示した.