土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(海岸工学)論文
移動床斜面を遡上する津波氾濫流理論の汎用化
松冨 英夫有川 太郎
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2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17049

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抄録

 津波荷重や歴史・想定津波規模評価の高度化を目指した単純な氾濫流モデルに基づく移動床斜面を遡上する津波氾濫流理論が存在する.その理論では移動床下の氾濫流抵抗則(摩擦損失係数)として気乾砂質土床に対するものを用い,氾濫流先端部において移動床から取り込む土砂体積と土砂湿潤用として移動床中に残す流体体積を同じとしている.本研究では先ず移動床土砂として気乾シルトを用いた水理実験を行い,シルト床に対する氾濫流抵抗則を検討して氾濫流抵抗則の汎用化を図っている.移動床から取り込む土砂体積を考慮し,移動床中に残す流体体積は無いとした場合へ津波氾濫流理論の汎用化も行っている.その理論を用いて氾濫流の遡上や先端部水面形,先端部での土砂移動等を論じ,氾濫水密度に対して氾濫流先端部の各横断面での運動量フラックスや比力に極大値(最大波力)が存在することを示している.

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