土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(海岸工学)論文
流体と固体運動の三次元連成数値解析を用いた津波石の移動に及ぼす水路幅の効果の分析
松本 皓太福田 朝生
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2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17064

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抄録

 本研究では,流体と固体の三次元運動を連成して解く数値解析を用いて,ダムブレイク流れによって津波石が移動する数値解析を行い,水路幅の変化が津波石の移動に及ぼす効果を分析した.約0.1m立方の津波石モデルを用いて,水路幅は0.4mから2.4mの間で設定した複数のケースで解析を行った.解析結果より,概ね水路が狭いほど津波石の移動距離は長くなった.しかし,流下方向の流体力は水路が狭いほど減少していた.これは,狭い水路では水位が上昇し,津波石に作用する浮力が大きくなり,その結果,底面に作用する垂直抗力が小さくなり,流体力に抵抗する水路底面との接触力が,水路が狭いほど小さくなることが要因であることが明らかとなった.また,抗力係数は,概ね水路が狭いほど増加する傾向を示すことが明らかとなった.

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